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エクルーシス試薬 Anti-HCV Ⅱ

抗HCV抗体検査は、HCV感染症のスクリーニング検査に用いられる重要な検査項目で、1989年にNS4領域抗原を用いた第一世代試薬の開発に端を発します。現在では、HCVゲノム上の構造領域をコードするコア、非構造領域をコードするNS3、NS4等の複数の領域にまたがる抗原が用いられており、十分な臨床感度を有することが報告されています*10

参考資料・文献

  • *10Bukh, J., Miller, R.H., Purcell, R.H.(1995). Genetic Heterogeneity of Hepatitis C virus: Ouasispecies and Genotypes, Seminars in Liver Disease-Vol. 15, No.1.



特徴

  1. コバス e 411、e 601、e 602、e 801 専用試薬です。
  2. 液相中での効率的な免疫反応により18分の短時間測定を可能にしました。
  3. 固相抗原と検出抗原で検体中のHCV抗体を広範囲に補足し、高感度測定を実現しました。
  4. Core抗原、NS4抗原には合成ペプチドを使用し、非特異反応を低減しました。



効能・効果

血清または血漿中のC型肝炎ウイルス(HCV)関連抗体の検出(C型肝炎ウイルス(HCV)感染症の診断の補助)



測定試料

  • 測定試料: 血清または血漿
  • 測定試料量: e 411、e 601、e 602 : 50μL  e 801 : 30μL



結果の判定

  • COI 0.9未満:陰性
  • COI 0.9以上–1.0未満:判定保留
  • COI 1.0以上:陽性



試薬構成

  • MP液(M)
    • ストレプトアビジンコーティング磁性マイクロパーティクル
  • 抗原試薬1(R1a)
    • ビオチン化HCV-core抗原
    • ビオチン化HCV-NS3抗原
    • ビオチン化HCV-NS4抗原
  • 抗原試薬2(R2a)
    • ルテニウム標識HCV-core抗原
    • ルテニウム標識HCV-NS3抗原
    • ルテニウム標識HCV-NS4抗原
  • Cal1
  • Cal2



測定原理(Double Antigen Sandwich Assay : DAGS法)

測定原理(Double Antigen Sandwich Assay : DAGS法)



感染初期検出能

早期に感染を捉えます

51種類のセロコンバージョンパネルを用いた感染初期の感度比較において、他社CLIA法に比較してより多くのパネルで早期に陽転化することが確認されました。

Anti-HCV II vs. CLIA法(51パネル)

(Esteban et al: J Med Virol 2013)



臨床的特異性

高い特異性を有します

臨床検体、妊婦検体および献血者検体群のいずれにおいても、他社CLIA法と比較して同等以上の特異性を有することが確認されています。

臨床的特異性

*1:Direct comparison; data from Turin, Italy; n=1,004.
*2:Direct comparison; data from Izmir, Turkey; n=806.
*3:Direct comparison; data from Innsbruck, Austria; n=3,500.
*4:Direct comparison; data from Mönchengladbach, Germany; n=500.

(Journal of Medical Virology 85: 1362–1368, 2013)
(Elecsys Anti-HCV Ⅱ assay CE evaluation data 2011)



判定一致率

臨床検体での高い一致率

一般臨床で広く用いられている他社CLIA法とも高い判定一致率を示します。

判定一致率

陽性一致率:88.9 % (24/27)
陰性一致率:99.6 % (470/472)
全体一致率:99.0 % (494/499)

乖離検体について、本法陽性・CLIA法陰性の2例はRIBAテストⅢで陰性、本法陰性・CLIA法陽性の3例中1例はRIBAテストⅢで陰性、2例はRIBAテストⅢで判定保留でした。

(鍵田正智, 医学と薬学, 70(1):101-108,2013.)