抗HCV抗体検査は、HCV感染症のスクリーニング検査に用いられる重要な検査項目で、1989年にNS4領域抗原を用いた第一世代試薬の開発に端を発します。現在では、HCVゲノム上の構造領域をコードするコア、非構造領域をコードするNS3、NS4等の複数の領域にまたがる抗原が用いられており、十分な臨床感度を有することが報告されています*10。
参考資料・文献
血清または血漿中のC型肝炎ウイルス(HCV)関連抗体の検出(C型肝炎ウイルス(HCV)感染症の診断の補助)
早期に感染を捉えます
51種類のセロコンバージョンパネルを用いた感染初期の感度比較において、他社CLIA法に比較してより多くのパネルで早期に陽転化することが確認されました。
(Esteban et al: J Med Virol 2013)
高い特異性を有します
臨床検体、妊婦検体および献血者検体群のいずれにおいても、他社CLIA法と比較して同等以上の特異性を有することが確認されています。
*1:Direct comparison; data from Turin, Italy; n=1,004.
*2:Direct comparison; data from Izmir, Turkey; n=806.
*3:Direct comparison; data from Innsbruck, Austria; n=3,500.
*4:Direct comparison; data from Mönchengladbach, Germany; n=500.
(Journal of Medical Virology 85: 1362–1368, 2013)
(Elecsys Anti-HCV Ⅱ assay CE evaluation data 2011)
臨床検体での高い一致率
一般臨床で広く用いられている他社CLIA法とも高い判定一致率を示します。
陽性一致率:88.9 % (24/27)
陰性一致率:99.6 % (470/472)
全体一致率:99.0 % (494/499)
乖離検体について、本法陽性・CLIA法陰性の2例はRIBAテストⅢで陰性、本法陰性・CLIA法陽性の3例中1例はRIBAテストⅢで陰性、2例はRIBAテストⅢで判定保留でした。
(鍵田正智, 医学と薬学, 70(1):101-108,2013.)