ロシュの悪性リンパ腫ポートフォリオで
病理診断に貢献
リン酸化CD20は、B細胞の活性化や分化段階でレセプターとして機能すると考えられています。CD20は正常及び腫瘍性のB細胞に発現が認められますが、形質細胞には発現が認められません。また、ホジキンリンパ腫における多核のReed-Sternberg細胞にもCD20が発現します。本抗体は末梢血、リンパ節、脾臓、扁桃、骨髄のB細胞の検出に用いられます1,2。
本抗体はCD3の非グルコシル化ε鎖におけるカルボキシル末端領域の合成ペプチドを抗原として作製されています。CD3は正常及び腫瘍性のT細胞に発現していることから、T細胞系に分化を示す細胞の検出が可能です3,4。
抗bcl-2抗体は、アポトーシス抑制に関与するbcl-2を認識し、正常では濾胞間に存在するT細胞や、マントルゾーンのB細胞に陽性を示しますが、胚中心のB細胞には陰性となります5。本抗体は、濾胞性リンパ腫では胚中心に染まるため、反応性の濾胞と腫瘍性の濾胞との鑑別に有用です。濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫で陽性となるほか、T細胞性リンパ腫にも陽性となります6,7。
CD30は、ホジキンリンパ腫における単核のホジキン細胞および多核のReed-Sternberg細胞や、未分化大細胞型リンパ腫で発現します。本抗体は、リンパ腫や、リンパ節、脾臓、扁桃腺、胸腺に散在する活性化した大型のB細胞およびT細胞の細胞膜、細胞質、ゴルジ体に反応を示します。また、形質細胞のごく一部でも反応を示すことがあります8,9,10。本抗体によるCD30タンパクの検出は、ホジキンリンパ腫および未分化大細胞リンパ腫において、抗CD30抗体治療薬の適応を判断するための指標として使用可能です。
c-MYCは64kDのDNA結合タンパクで、細胞周期制御に重要な転写因子です。c-MYCは乳癌、前立腺癌、リンパ腫、肺癌、大腸癌を含む種々の癌において、過剰発現が認められます。中でも、(8q24)に位置するc-MYC遺伝子はバーキットリンパ腫における転座に関与しており、もっとも一般的な転座はt(8;14)(q24;q32)です11,12。また、c-MYCとBCL2 またはBCL6などの発現を認める場合にはダブルヒットリンパ腫と呼ばれ、予後不良です。
抗Cyclin D1抗体は、細胞周期のG1期に発現する主要な細胞周期制御因子のひとつであるサイクリンD1に特異的です。本抗体は核への染色パターンを示し、サイクリンD1の過剰発現は、マントル細胞リンパ腫と小細胞リンパ腫を区別するためによく用いられています13。また、サイクリンD1の過剰発現は、食道がん、胃がん、肺がん、肝細胞がんなどの多くの腫瘍で観察されています14,15,16。
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