[HMW Keratin+p63](34ßE12+p63)
(マウスモノクローナル抗体カクテル)
Basal Cell Cocktail抗体は、抗p63抗体(4A4)と抗サイトケラチン抗体(34βE12)のカクテル抗体です。抗p63抗体は、ヒト前立腺および尿路上皮の基底細胞の核に存在するp63に特異的です1。抗サイトケラチン抗体(34βE12)はサイトケラチン1、5、10、14に特異的であり、ヒト前立腺基底細胞の細胞質に反応します2,3。本抗体は、前立腺病変において良性または悪性の鑑別に有用です4,5,6。前立腺癌マーカーであるp504s/AMACR を加えた二重染色が可能です。
p504s(αメチルアシルCoAラセマーゼ、AMACR)は、分岐脂肪酸の異化とコレステロール前駆体から胆汁酸の合成に重要な代謝酵素で、様々な正常組織や腫瘍組織での発現亢進が観察されており、前立腺癌鑑別の有用なマーカーとなっています7,8,9。ベンタナBasal Cell Cocktail( 34βE12+p63)との二重染色により形態学的に難しい組織で良性、異型、あるいは、がんの鑑別に有用です。
NKX3.1は前立腺特異的な転写調節因子です10,11。高悪性度の前立腺癌と浸潤している尿路上皮癌をHE染色で鑑別することは困難な場合があります11。PSAやPSAPなどの現在使われている前立腺癌マーカーは前立腺を原発とする転移癌の同定に有用ですが、高分化型に比べると低分化型の検出感度が低いことが知られています11。NKX3.1は、PSAやPSAPに比べて、原発性ならびに転移性前立腺癌に対する高い特異性と検出感度を示し、前立腺癌と尿路上皮癌の鑑別の補助に有用です10。
参考文献
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