製品

エクルーシス試薬 total P1NP



特徴

  1. 測定時間18分の短時間測定
  2. 測定範囲5~1200ng/mLとワイドレンジ
  3. 検体量20μLと微量で測定可能
  4. 専用機器による全自動non-RIA測定



概要

概要



測定原理

測定原理



再現性

同時再現性
日差再現性

参考資料・文献

  • Herberth J, Fahrleiter-Pammer A, Obermaayer-Pietsch, et al.:Clin Nephrol, 65(5):328-34, 2006



他法との相関

他法との相関

(自社データ)



実効感度

実効感度

参考資料・文献

  • Herberth J, Fahrleiter-Pammer A, Obermaayer-Pietsch, et al.:Clin Nephrol, 65(5):328-34, 2006



治療効果判定の指標

  1. 最小有意変化(変化率)
    14.4 %
    最小有意変化は、骨代謝マーカー検討委員会で求めた日差変動の2倍より算出したMSC (Minimum Significant Change)値です。骨粗鬆症治療薬の投与前後で測定値を比較して、P1NPがMSCを超えて変動した場合は、P1NPが投薬の効果によって有意に変化したと判定されます。
  2. 変化量
    10ng/mL
    連日テリパラチド(副甲状腺ホルモン薬、PTH)を用いた治療では、投与開始1~3カ月後のP1NP変化量が10ng/mL(10ug/L)を超えたかどうかを効果判定の指標とする右図の様なアルゴリズムが利用される場合があります。投与1~3ヵ月後のP1NP上昇幅が10ng/mLを超えていれば、将来に骨密度が順調に増えると期待できます。
治療効果判定の指標

参考資料・文献

  • 谷口正智:THE BONE, 24(4):27-35, 2010
  • KDIGO CKD-MBD Work Group:Kidney Int, 76(Suppl 113):S3-8, 2009



臨床データ

連日テリパラチド投与時のP1NP

早期の骨形成を鋭敏に反映するP1NPは、骨形成促進薬テリパラチド(PTH製剤)を用いた治療における効果判定に適したマーカーです。閉経後骨粗鬆症女性患者に連日テリパラチドを投与する多施設臨床性能試験EUROFORS(10か国95施設が参加)で、以下の結果が得られています。

  1. P1NP測定値推移
    P1NPはビスフォスフォネート等の骨吸収抑制剤による前治療歴の有無にかかわらず、連日テリパラチド投与開始1カ月後から顕著な上昇を示しました。
測定値
測定値
  1. 投与1カ月後のP1NP上昇幅と骨密度の関係
    連日テリパラチドの投与開始1カ月後にP1NPの測定値上昇幅が10ng/mLを超えていた患者(青)は、10ng/mL以下だった患者(赤)と比較して腰椎の骨密度増加率が有意に大きい傾向を示しました。
    将来の腰椎骨密度変化を予測する最適モデル構成因子は、骨吸収抑制薬による前治療期間、1カ月後のP1NP上昇幅、1カ月後・6カ月後のP1NP値であったとも報告されており、P1NPが上昇していれば将来に骨密度が順調に増えると期待できます。
腰椎骨密度
腰椎骨密度

参考資料・文献

  • Komaba H, Takeda Y, Shin J, et al.:NDT Plus 1(Suppl 3):iii54-58, 2008
  • Tentori F, Blayney MJ, Albert JM, et al.:Am J Kidney Dis 52(3):519-530, 2008



骨粗鬆症治療薬の切替および併用

テリパラチドは重症の骨粗鬆症患者に対して用いられますが、多くの場合はすでにビスフォスフォネートやSERM等の骨吸収抑制薬が投与されています。アレンドロネート(ALN)投与患者102名、ラロキシフェン(RLX)投与患者96名について、それぞれ連日テリパラチド(TPTD)へ切り替えた群、TPTDと併用し続けた群に分け、双方を比較したランダム化試験の結果は以下の通りであったと報告されています。

  1. 骨代謝マーカー
    P1NPはどの群もTPTD投与開始1カ月後から大幅に上昇する傾向を示しましたが、切替群(ALN⇒TPTD, RLX⇒TPTD)ではP1NP・β-CTxの両項目ともに6カ月後まで上昇し続けたのに対し、 併用群(ALN+TPTD, RLX+TPTD)では両項目ともに以降は顕著な上昇傾向を示しませんでした(下表は中央値を表示)。
骨粗鬆症治療薬の切替および併用
  1. 骨密度(腰椎)
    RLXでは切替群と併用群で同程度の骨密度上昇を示したのに対し、ALNでは切替群よりも併用群のほうが有意に大きな骨密度上昇を示しました。ALNとの併用群では骨形成(P1NP)が早期から促進される一方で、骨吸収(β-CTx)は一貫して抑制されており、骨形成と骨吸収の乖離幅(therapeutic window)の大きさが骨密度に反映されたものと考えられます(下表は平均値と信頼区間を表示)。
腰椎骨密度
腰椎骨密度

参考資料・文献

  • わが国の慢性透析療法の現況2011年12月31日現在:一般社団法人 日本透析医学会 統計調査委員会:17-20, 2012