CA125は、Bastらがヒト卵巣漿液性嚢胞腺癌の腹水細胞培養系を用いて作製したモノクローナル抗体OC125によって認識される、分子量約200kDの糖蛋白抗原と考えられております。ヒト血清中にも存在し、上皮性卵巣癌患者血清中では高頻度かつ高濃度に存在することから、卵巣癌の腫瘍マーカーとして注目されてきました。その後抗イデオタイプ抗体による偽陽性の問題を解消するため、OC125抗体と別のサブユニットを認識するモノクローナル抗体M11を固相化抗体、OC125を標識抗体としたCA125測定が用いられております。
CA125は主に上皮性卵巣癌の診断や治療効果の指標として用いられておりますが、子宮体癌などでも高値となりその有用性が認められています。一方、CA125産生はエストロゲンで亢進することから、その測定値は性周期の影響を受けることが知られており、特に月経時に高値となり卵胞期から黄体期にかけて低下します。また妊娠初期で高い陽性率を示すことがあるため注意を要します。
同時再現性、日差再現性ともに良好な結果が得られております。
(自社データ)
非妊婦女性593人について測定したときのCA125値ヒストグラムを示します。95パーセンタイルより求めた参考基準範囲は35U/mLとなりました。
(自社データ)
エクルーシス試薬CA125Ⅱと他社RIA法による相関を示します。
(自社データ)
各種良性・悪性疾患における血中CA125値をECLIA法にて測定した結果、卵巣癌をはじめとした各種悪性疾患の鑑別に優れた成績が得られております。
(Humb E et al,Clinical Chemistry44 (12):2530-2536,1998)
健常者女性、良性婦人科疾患、およびFIGOステージ別卵巣癌患者血中CA125値をECLIA法にて測定した結果、ステージの進展に伴いCA125値が高値となり、卵巣癌の転移予測に有効な結果が得られております。
(Humb E et al,Clinical Chemistry44 (12):2530-2536,1998)