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エクルーシス試薬 CA125Ⅱ

CA125は、Bastらがヒト卵巣漿液性嚢胞腺癌の腹水細胞培養系を用いて作製したモノクローナル抗体OC125によって認識される、分子量約200kDの糖蛋白抗原と考えられております。ヒト血清中にも存在し、上皮性卵巣癌患者血清中では高頻度かつ高濃度に存在することから、卵巣癌の腫瘍マーカーとして注目されてきました。その後抗イデオタイプ抗体による偽陽性の問題を解消するため、OC125抗体と別のサブユニットを認識するモノクローナル抗体M11を固相化抗体、OC125を標識抗体としたCA125測定が用いられております。

CA125は主に上皮性卵巣癌の診断や治療効果の指標として用いられておりますが、子宮体癌などでも高値となりその有用性が認められています。一方、CA125産生はエストロゲンで亢進することから、その測定値は性周期の影響を受けることが知られており、特に月経時に高値となり卵胞期から黄体期にかけて低下します。また妊娠初期で高い陽性率を示すことがあるため注意を要します。



特徴

  1. 18分の短時間測定
  2. 広範囲を測定可能:0.6~5,000 U/mL
  3. 非特異反応を低減:フラグメント化抗体と吸収剤を使用
  4. 微量な必要検体量:1テスト12 μL(e 411/E 170/e 601/e 602 : 20 μL)
  5. 微量検体での測定を実現:CA125、CA72-4の2項目を30 μLで測定(e 411/E 170/e 601/e 602 : 50 μL)
  6. 開封後、機器上安定性:16週間(e 411/E 170/e 601/e 602 : 6週間)
  7. CA125オリジナル抗体であるマウスモノクローナル抗体 OC125抗体、M11抗体を使用



再現性

同時再現性、日差再現性ともに良好な結果が得られております。

同時再現性
日差再現性

(自社データ)



ヒストグラム

非妊婦女性593人について測定したときのCA125値ヒストグラムを示します。95パーセンタイルより求めた参考基準範囲は35U/mLとなりました。

ヒストグラム

(自社データ)



他法との相関性

エクルーシス試薬CA125Ⅱと他社RIA法による相関を示します。

他法との相関性

(自社データ)



各疾患別測定値分布

各種良性・悪性疾患における血中CA125値をECLIA法にて測定した結果、卵巣癌をはじめとした各種悪性疾患の鑑別に優れた成績が得られております。

各疾患別測定値分布

(Humb E et al,Clinical Chemistry44 (12):2530-2536,1998)



卵巣癌病期別測定値分布

健常者女性、良性婦人科疾患、およびFIGOステージ別卵巣癌患者血中CA125値をECLIA法にて測定した結果、ステージの進展に伴いCA125値が高値となり、卵巣癌の転移予測に有効な結果が得られております。

卵巣癌病期別測定値分布

(Humb E et al,Clinical Chemistry44 (12):2530-2536,1998)