CA15-3は1984年にHilkensらがヒト乳汁脂肪球膜上の糖蛋白を抗原にして作製したモノクローナル抗体115D8と、同年Kufeらが、ヒト乳癌肝転移腫瘍の膜成分を抗原として作製したモノクローナル抗体DF3の組み合わせにより認識されるムチン様の糖蛋白で、その分子量は400kD以上であると報告されています。CA15-3は、乳癌に特異的な腫瘍マーカーとして広く用いられています。CA15-3は転移のない初発生乳癌の早期検出には適しませんが、転移性乳癌や再発生乳癌で高い陽性率を示し、乳癌の再発、転移の診断、治療効果のモニタリングに有用性が認められています。
(* エクルーシス 検体希釈液(S)もしくはエクルーシス検体希釈液により自動前希釈(20倍)された検体)
同時再現性、日差再現性ともに良好な結果が得られております。
(自社データ)
健常者272人について測定したときのCA15-3値ヒストグラムを示します。95パーセンタイルより求めた参考基準範囲は25U/mLとなりました。
(自社データ)
エクルーシス試薬CA15-3Ⅱと他社RIA法による相関を示します。
(自社データ)
健常群および各良性疾患群について血中CA15-3値をECLIA法にて測定し、各々の分類についてCA15-3濃度の分布をみたところ、健常群および各良性疾患群において優れた特異性が確認されております。
(Stieber P et al,Clin Lab49:15-24,2003 一部改変)
各病期別および再発乳癌症例について血中CA15-3値をECLIA法にて測定し、各々の分類についてCA15-3濃度の分布をみたところ、病期の進展につれて測定値は高値となり、再発を含む転移症例において優れた陽性率が得られております。
(Stieber P et al,Clin Lab49:15-24,2003 一部改変)