CA19-9は、1979年koprowskiらによって報告されたヒト大腸癌細胞をマウスに免疫して作製したモノクローナル抗体NS19-9で認識される糖鎖抗原です。CA19-9の抗原決定基は、ルイス式血液型Lea糖鎖にシアル酸が結合したものであり、血液中ではシアロムチンとして存在しています。
CA19-9は、健常人の唾液腺、膵管、胆管、消化管などの細胞の一部にも微量ながら存在すると言われていますが、癌患者では消化器由来の癌で陽性率が高く、主に膵、胆管系を中心とした消化器癌の腫瘍マーカーとして広く使用されています。日本人の約10%は、Le糖鎖を合成するフコシル化酵素遺伝子の欠如しているLewis式血液型陰性Le(a-b-)ですが、これらの人達は例え癌であってもCA19-9を産生しないため注意が必要です。
同時再現性、日差再現性ともに良好な結果が得られております。
(自社データ)
健常者197人について測定したときのCA19-9値ヒストグラムを示します。99パーセンタイルより求めた参考基準範囲は37U/mLとなりました。
(自社データ)
エクルーシス試薬CA19-9Ⅱと他社RIA法による相関を示します。
(花田浩之他、医学と薬学52(6):1007-1014,2004 一部改変)
各種良性・悪性疾患における血中CA19-9値をECLIA法にて測定した結果、膵臓癌をはじめとした各種悪性疾患の鑑別に優れた成績が得られております。
(花田浩之他、医学と薬学52(6):1007-1014,2004 一部改変)
膵臓癌20例、慢性膵炎22例を用いROC分析にてRIA法と比較したところ、AUCにおいて優れた診断効率を示す結果が得られております。
(花田浩之他、医学と薬学52(6):1007-1014,2004 一部改変)
従来non-RIA法において非特異反応が指摘されておりました肝疾患患者検体において、ECLIA法はRIA法と比較し良好な相関が得られております。
(花田浩之他、医学と薬学52(6):1007-1014,2004 一部改変)