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エクルーシス試薬 CA72-4

CA72-4は、B72.3およびCC49の2種類のモノクローナル抗体により認識される腫瘍関連抗原で、ムチン様高分子上に発現される分子量400kDの糖蛋白と考えられています。B72.3は、乳癌肝転移組織の膜分画を免疫原として作製されたモノクローナル抗体であり、このB72.3抗体を用いて結腸癌細胞株から精製した糖蛋白(TAG-72)を免疫原として作製されたモノクローナル抗体がCC49です。

CA72-4は、卵巣癌、あるいは胃癌をはじめとした消化器癌等の悪性疾患において血中に高頻度、高濃度に出現します。CA125は卵巣癌の中でも漿液性嚢胞腺癌、類内膜腺癌で高い陽性率を示しますが、ムチン性嚢胞腺癌では低い陽性率となるのに対し、CA72-4はムチン性嚢胞腺癌に対して高い陽性率を示します。一方、CA72-4は良性疾患ならびに健常者での陽性率が極めて低いことで知られており、これら悪性疾患の鑑別、化学療法や術後患者の効果判定、モニタリングに有用です。



特徴

  1. 18分の短時間測定
  2. 広範囲を測定可能:1.5~250 U/mL(e 411/E 170/e 601/e 602 : 0.2~300 U/mL)
  3. 非特異反応を低減:フラグメント化抗体と吸収剤を使用
  4. 微量な必要検体量:1テスト18 μL(e 411/E 170/e 601/e 602 : 30 μL)
  5. 微量検体での測定を実現: CA72-4、 CA125の2項目を30 μLで測定(e 411/E 170/e 601/e 602 : 50 μL)
  6. 開封後、機器上安定性:16週間(e 411/E 170/e 601/e 602 : 8週間)
  7. CA72-4オリジナル抗体であるマウスモノクローナル抗体 B72.3抗体、CC49抗体を使用



再現性

同時再現性、日差再現性ともに良好な結果が得られております。

同時再現性
日差再現性

(自社データ)



ヒストグラム

健常者653人について測定したときのCA72-4値ヒストグラムを示します。95パーセンタイルより求めた参考基準範囲は6.9U/mLとなりました。

ヒストグラム

(自社データ)



他法との相関性

エクルーシス試薬CA72-4と他社RIA法による相関を示します。

他法との相関性

(青山昭他,医学と薬学49(1)127-135,2003)



各疾患別測定値分布

各種良性・悪性疾患における血中CA72-4値をECLIA法にて測定した結果、卵巣癌をはじめとした各種悪性疾患の鑑別に優れた成績が得られております。

各疾患別測定値分布

(自社データ)



卵巣癌

卵巣癌、ムチン性嚢胞腺癌における感度、特異度、正診率は下表のとおり優れた成績が得られております。

各種良性・悪性疾患における血中腫瘍マーカーの診断効率をROC曲線により比較しました。

下図に示しますとおりCA72-4は卵巣癌、とりわけムチン性嚢胞腺癌において他の腫瘍マーカーと比較し、優れた診断効率を示しており、CA125とのコンビネーションアッセイにより卵巣癌における診断効率の向上が見込めます。

卵巣癌
良性婦人科疾患(307例)vs.卵巣癌(187例)
良性婦人科疾患(307例)vs.ムチン性嚢胞腺癌(26例)

(自社データ)



胃癌

胃癌における感度、特異度、正診率は下記の通り優れた成績が得られております。

CA72-4胃癌において他の腫瘍マーカーと比較し、優れた診断効率を示しております。

胃癌
19文献(合計2774症例)をレビュー
良性消化器疾患(435例)vs. 胃癌(136例)

(自社データ)