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エクルーシス®試薬 プロラクチンⅢ

プロラクチン(PRL)は脳下垂体前葉より分泌される分子量約22,000のポリペプチドで、主に乳腺に作用して乳汁分泌を調整しています。PRLの分泌は、視床下部のPRL分泌促進因子(PRF)とPRL分泌抑制因子(PIF)によって調節されていますが、PIFによる抑制支配が優位であるといわれています。PRFで代表的なものはTRH、血管作動性腸管ポリペプチド(VIP)などであり、一方のPIFにはドパミンがあります。

PRLには日内変動があり、夜中から明け方に高値化を示しますので、採血時間には注意を要します。



特徴

  1. コバス e 411、コバス6000、コバス8000専用試薬
  2. 18分の短時間反応
  3. 広範囲を精度良く測定(測定範囲:0.047~470ng/mL)
  4. WHO 84/500(WHO3rd)を一次標準品として値を設定
  5. マクロプロラクチンとの反応性を低減
  6. 調整不要の試薬
  7. サンドイッチ法による測定



測定試料

  • 測定試料:血清または血漿(ヘパリン、EDTA)
  • 測定試料の安定性:2~8℃で14日間、-20℃で6ヶ月安定
  • 測定試料量(サンプリング量):10μL



試薬の安定性

  • 未使用時:2~8℃で使用期限まで安定
  • 開封後:2~8℃で12週間安定(使用してからの安定性)
  • 機械上:8週間安定



再現性

同時再現性、日差再現性とも良好な結果が得られています。

同時再現性
日差再現性



旧法との相関性とマクロプロラクチンの影響

エクルーシス試薬プロラクチンⅡとエクルーシス試薬プロラクチンⅢとで相関性を確認しましたところ、r=0.985と良好な相関性を示しましたが、15%程度の低値傾向を示しました。

E170PROII VS E170PRLIII 乖離が認められたNo.42を除く計42例
マクロプロラクチンとは

マクロプロラクチンは、PRLに対する自己抗体(主にlgG)とPRLが結合した分子量15~17万の高分子体で、生理活性を殆ど持っておらず、体内に存在してもなんら治療の必要はないと報告されています。

しかし、測定試薬によってはマクロプロラクチンを測り込んでしまうために高値を示し、その結果から高プロラクチン血症と診断されて不要な治療を受けるという報告がされています。

エクルーシス試薬プロラクチンⅢはマクロプロラクチンとの反応性が抑えられており、マクロプロラクチンを測り込むことで偽高値を呈することは殆どございません。

乖離検体をHPLC法にてゲルろ過処理後、各フラクションのPRL濃度を確認したところ、分子量約20万付近にプロラクチン試薬への反応ピークが確認され、高分子(マクロプロラクチン)との反応が示唆されました。

対照検体(274.7ng/mL)
Sample No.42(250.1ng/mL)



基準値

基準値

(国内検討データ)