プロラクチン(PRL)は脳下垂体前葉より分泌される分子量約22,000のポリペプチドで、主に乳腺に作用して乳汁分泌を調整しています。PRLの分泌は、視床下部のPRL分泌促進因子(PRF)とPRL分泌抑制因子(PIF)によって調節されていますが、PIFによる抑制支配が優位であるといわれています。PRFで代表的なものはTRH、血管作動性腸管ポリペプチド(VIP)などであり、一方のPIFにはドパミンがあります。
PRLには日内変動があり、夜中から明け方に高値化を示しますので、採血時間には注意を要します。
同時再現性、日差再現性とも良好な結果が得られています。
エクルーシス試薬プロラクチンⅡとエクルーシス試薬プロラクチンⅢとで相関性を確認しましたところ、r=0.985と良好な相関性を示しましたが、15%程度の低値傾向を示しました。
マクロプロラクチンは、PRLに対する自己抗体(主にlgG)とPRLが結合した分子量15~17万の高分子体で、生理活性を殆ど持っておらず、体内に存在してもなんら治療の必要はないと報告されています。
しかし、測定試薬によってはマクロプロラクチンを測り込んでしまうために高値を示し、その結果から高プロラクチン血症と診断されて不要な治療を受けるという報告がされています。
エクルーシス試薬プロラクチンⅢはマクロプロラクチンとの反応性が抑えられており、マクロプロラクチンを測り込むことで偽高値を呈することは殆どございません。
乖離検体をHPLC法にてゲルろ過処理後、各フラクションのPRL濃度を確認したところ、分子量約20万付近にプロラクチン試薬への反応ピークが確認され、高分子(マクロプロラクチン)との反応が示唆されました。
(国内検討データ)