User Profile
Select your user profile
Article

PD-L1:免疫チェックポイント

PD-L1について

PD-L1は、2つの抑制性受容体であるprogrammed death-1(PD-1)およびB7.1に結合することで免疫応答を抑制する膜貫通型タンパクです。 PD-1はT細胞活性化後にT細胞表面に発現する抑制性受容体であり、慢性感染症や癌のような慢性刺激の状態で維持されます1。 PD-L1がPD-1へ結合すると、T細胞増殖、サイトカイン産生、細胞溶解活性が阻害され、T細胞の機能的不活性化を引き起こします。 B7.1は抗原提示細胞および活性化T細胞表面に発現する分子です。T細胞および抗原提示細胞表面でPD-L1がB7.1へ結合することにより、T細胞活性化やサイトカイン産生の阻害などの免疫応答の抑制を媒介することができます2 。 PD-L1発現は、免疫細胞および腫瘍細胞3, 4において観察され、腫瘍細胞のPD-L1は抗腫瘍免疫を妨害し、結果として免疫回避に至ることが報告されています1。 したがって、PD-L1とPD-1受容体の結合を阻害することで、腫瘍微小環境において、腫瘍細胞上のPD-L1発現によって抑制される腫瘍特異的なT細胞免疫を再活性化することができます。

参考文献

  1. Blank, C and Mackensen, A, Contribution of the PD-L1/PD-1 pathway to T-cell exhaustion: an update on implications for chronic infections and tumor evasion. Cancer Immunol Immunother, 2007. 56(5): p. 739-745.
  2. Butte MJ, Keir ME, Phamduy TB, et al. Programmed death-1 ligand 1 interacts specifically with the B7-1 costimulatory molecule to inhibit T cell responses. Immunity. 2007;27(1):111-122.
  3. Dong H, Zhu G, Tamada K, Chen L. B7-H1, a third member of the B7 family, co-stimulates T-cell proliferation and interleukin-10 secretion. Nat Med. 1999;5(12):1365-1369.
    Herbst RS, Soria JC, Kowanetz M, et al. Predictive correlates of response to the anti-PD-L1 antibody MPDL3280A in cancer patients. Nature. 2014;515(7528):563-567.