腫瘍微小環境
- CTL(細胞傷害性T細胞)
- Treg(制御性T細胞)
- 樹状細胞
- MDSC(骨髄由来抑制細胞)
- 腫瘍細胞
- NK細胞
- 線維芽細胞
- 周皮細胞
- 血小板
- 好酸球
- 顆粒球
- 肥満細胞
- B細胞
- マクロファージ
7+8 = 間葉起源
腫瘍微小環境(TME)は、腫瘍組織やその周囲に混在する正常組織や免疫細胞等、様々な細胞・非細胞成分から構成され、腫瘍の進行に大きな役割を果たすことが知られています1,2。
TMEは、腫瘍細胞を免疫細胞の攻撃から守ったり、増殖や転移をサポートする一方、腫瘍を正常化させようとする働きもあることが報告されています3。TMEの主要成分である腫瘍浸潤免疫細胞のレベルと、患者予後との間には関連性が認められています。大腸癌における臨床試験では、CD3+免疫細胞の腫瘍への高レベルの浸潤が無増悪生存期間と関連することが示されました4。
腫瘍細胞表面上にPD-L1が高発現することで、抗腫瘍免疫を妨げることが報告されています5。したがって、TME中のPD-L1の発現によって抑制されている腫瘍特異的T細胞免疫を再活性化するためにPD-L1/PD-1経路を妨害するというアプローチが治療に有効であると考えられています。TMEに存在する免疫細胞におけるPD-L1発現率により、抗PD-L1抗体薬であるアテゾリズマブが有効となる可能性が高い乳癌患者を特定することが示されています6。
参考文献