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造血細胞移植後CMV感染症

sFlt-1/PlGF比

おさえておきたいPOINTS

  • アンチゲネミア法とPCR法は同様に推移します。
  • ガイドラインが改訂されました。 

参考文献

造血幹細胞移植例における サイトメガロウイルスモニタリングにおけるPCR法の有用性

HSCT検体におけるCMV-PCR法とAG法の判定一致率

  アンチゲネミア法
  陽性 陰性
CMV-PCR法 定量値あり 24 28 52
<Tilter Min 3 32 35
TND 1 94 95
28 154 182

社内データ

  1. 「定量値あり」あるいは「<Titer Min」を陽性相当とした場合    
    • 陽性一致率 96.4%(27/28)
    • 陰性一致率 61.0%(94/154)
    • 全体一致率 66.5%(121/182)
  2. 「定量値あり」のみを陽性相当とした場合
    • 陽性一致率 85.7%(24/28)
    • 陰性一致率 81.8%(126/154)
    • 全体一致率 82.4%(150/182)

 

PCR法ではCMV感染のピーク前後のポイントでのAG法より早い立ち上がりや継続的な検出(テーリング)が観察される傾向にあった。このことは、PCR法によるCMV検査を実施すれば、CMV感染症の早期発見に繋がる可能性が示唆された。    

造血幹細胞移植におけるCMV PCR法とAG法によるモニタリングの一例

造血幹細胞移植におけるCMV PCR法とAG法によるモニタリングの一例

症例ごとにCMV-PCR法とAG法についてモニタリングを行うと概ね同様の動向を示す結果であった。

医学と薬学 第77巻 第8号 p1181-1188 引用

CMV感染症 国内ガイドラインの改訂

22年6月に国内ガイドラインが改訂されました。
ガイドラインはこちら

CMV感染のモニタリング法にPCR法が追記されました。

同種造血幹細胞移植後のCMV感染対施策のフローチャート

先行研究や国内臨床試験結果より、先制治療開始閾値が参考値として掲載されました。

CMVモニタリングによる先制治療開始閾値

         
患者 リスク群※1 CMV モニタリング法 移植後0〜100日 移植後100日以降
レテルモビルの予防投与
なし あり
高リスク群 HRP-C7法 2個以上 2個以上 10個以上
C10/C11法 2スライドで3個以上 2スライドで3個以上 2スライドで20個以上
標準化定量PCR(血漿) 50〜150IU/mL以上 (50〜)150IU/mL以上 350IU/mL以上
低リスク群 HRP-C7法 10個以上 10個以上 10個以上
C10/C11法 2スライドで20個以上 2スライドで20個以上 2スライドで20個以上
標準化定量PCR(血漿) 150〜150IU/mL以上 (150〜)150IU/mL以上 350IU/mL以上

 

※本閾値はこれまでに得られたエビデンスをもとに示されていますが、今後のデータ集積により随時見直しが必要であるとされています。

*高リスク群:臍帯血移植、HLA不適合移植、HLA半合致移植、移植前治療にATG・抗CD52抗体使用、T細胞除去移植、副腎皮質ステロイド(0.5~1.0mg/kg以上)投与