結核は、結核菌という細菌によって引き起こされる感染症です。
薬剤耐性結核菌とは、結核の治療に使用される少なくとも1種類の主な薬剤に対する耐性をもつ結核菌と定義されます。
多剤耐性結核 (MDR-TB) は、イソニアジド及びリファンピシン (最も効果的な2種類の抗結核薬) に対する耐性と定義され、超多剤耐性結核 (XDR-TB) は、この2種類に対する耐性に加えてフルオロキノロン系及び少なくとも1種類の第二選択薬である抗結核注射剤 (アミカシン、カナマイシン、カプレオマイシン等) に対する耐性が加わった多剤耐性結核 (MDR-TB)菌と定義されます。
2017年には、世界で確認された新規結核症例の5%超がMDR/RR-TBであったと推定されています。
MDR-TBの発生頻度は地域によって異なりますが、治療歴のある患者の方が高い傾向にあります。
コバス MTB-RIF/INH*は、コバス 5800/6800/8800システム上で使用することを目的とし、
コバス MTBと併用するリフレックス検査として設計された自動リアルタイムPCR検査であり、
結核菌のrpoB遺伝子のリファンピシン耐性関連変異、katG及びinhA遺伝子のイソニアジド耐性関連変異を検出します。
この検査は、結核菌陽性となった生喀痰、並びに、NALC-NaOH処理をした喀痰検体での使用を目的としております。
野生型結核菌群DNAの検出は、検体調製及びPCR増幅プロセス全体をモニタリングするためのインターナルコントロール(IC)としての役割を果たします。また、この検査では、低濃度の陽性コントロール及び陰性コントロールを使用します。
適切な治療の開始には、抗酸菌に関わる一連の検査の実施が必要不可欠です。結核の症状がみられた場合は、コバス MTBで結核菌群核酸検出検査を行います。陽性の場合、患者はコバス MTB-RIF/INHで薬剤耐性遺伝子検査を実施します。陰性の場合、コバス MAIで非結核性抗酸菌核酸検出検査を実施します。
コバス MTB-RIF/INHは、コバス 5800/6800/8800システム上で使用することを目的とした体外診断用医薬品であり、リアルタイムPCR法を用いて、喀痰検体から得られた結核菌のrpoB遺伝子のリファンピシン耐性関連変異、katG及びinhA遺伝子のイソニアジド耐性関連変異を検出します。
この検査は、結核菌陽性となった生喀痰、並びに、NALC-NaOH処理をした喀痰検体での使用を目的としております。
この検査は、多剤耐性結核菌 (MDR-TB) 感染に対する診断の補助として、培養検査及び薬剤感受性検査と併用したり、さらにはコバス MTBと併用したリフレックス検査として使用することを目的としています。
参考文献
cobas 及び コバスはロシュの登録商標です