B型およびC型肝炎は世界中で最も一般的なウイルス感染症です。2015年には世界で約3億2500万人がB型またはC型ウイルス性肝炎のキャリアとなっており、これらは何十年も無症候のままでいる場合があります1,2。
毎日ウイルス性肝炎によって約4,000人が死亡しており、これは年間にすると140万人になります3。さらに、毎年175万人が新たにC型ウイルス性肝炎に罹患しています。2015年にこの疾患は134万の死亡をもたらしましたが、この数字は結核の年間死亡数と同等であり、HIVによる死亡数よりも高くなっています2。
2016年、WHOはその最重要ビジョンとして、WHOの最初の「ウイルス性肝炎についてのグローバルヘルスセクター戦略」においてウイルス性肝炎の廃絶を目標として採用しました。
ビジョン:
ウイルス性肝炎伝播がなくなり、ウイルス性肝炎を持つすべての人が安全、安価で効果的な予防、ケア、治療サービスにアクセスできる世界。
ゴール:
2030年までに、主な公衆衛生の脅威としてウイルス性肝炎を廃絶する。
目標:
600~1000万例の感染症が2030年までに100万例未満に減少し、140万例の死亡が2030年までに50万例未満に減少する4。
ロシュはウイルス性肝炎の診療に対して貢献すべく、HCVとHBVの診断と治療のための完全ケアパッケージを提供しています。これは、スクリーニングと診断のための血清学に基づく検査に続く、確認とジェノタイピング(HCVのみ)のためのPCR検査、および患者の治療応答を判定するためのウイルス量モニタリングへの重点的取り組みから始まります。
世界的努力を促進し、ウイルス性肝炎と闘うため、ロシュはClinton Health Access Initiative(CHAI)およびDuke Healthと協力して、ユニークで革新的なパートナーシップQuick-Startプログラムに参加しています。この草分けのプログラムは、生命を救う診断を提供するためのロシュの継続的努力を強調するものであり、エチオピア、インドネシア、ミャンマー、ナイジェリア、ルワンダ、ベトナムの政府を支援して、2年以内にC型ウイルス性肝炎(HCV)を持つ25,000人を治療することを目指しています。このゴールを達成するために、Quick-Startプログラムは成功する治療プログラムを確立することに重点を置き、HCV診断の費用を大きく減らし、HCV治療へのアクセスを加速させる予定です。ロシュはウイルス定量検査のリーダーであり、最も必要とされる所に革新的で高品質の診断用医薬品を届けることにより、患者管理の改善を可能にすることに取り組んでいます。
参考文献