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PCRの進歩:ロシュのイノベーション

PCRの進歩:ロシュのイノベーション

 

1980年代後半から、ロシュはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術の開発と改善に専心し、投資をしてきました。1991年にPCRの権利を取得した後、ロシュの科学者はPCRの工程を改善し続け、すべての生物学科学にわたる標準的ツールにしました。

 

逆転写PCR:RT-PCR

 

ロシュがPCRの権利を取得したのと同じ年である1991年に、熱に耐えることができてRNAからDNA鎖を作ることができる酵素を使用した逆転写PCR(RT-PCR)が開発され、RNAウイルスの診断検査を促進しました。これは、ゲノム中にDNAの代わりにRNAを持つレトロウイルス、HIVなどの感染症を特定、研究、より良く理解する上で有用です。

RT-PCRは、RT反応とそれに続くPCR増幅の2つの段階で完了します。

ステップ1:チューブの逆転写酵素とRNA検体を使用して、RNAは「相補」DNA(cDNA)鎖に逆転写されます。これは、RNAヌクレオチドを対応するDNAヌクレオチドと一致させ、DNAシークエンスを作成します。

ステップ2:cDNAを使用して、3段階のPCRの工程により、DNA増幅の複数サイクル中にDNAがコピーされます。そこから、DNAを診断およびモニタリング検査に使用することができます。

 

リアルタイムPCR

 

2003年に、ロシュはヨーロッパで、ヒト免疫不全ウイルス1(HIV-1)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)の3つのCOBAS® TaqMan® IVD検査をサポートするCOBAS® TaqMan®アナライザを発売しました。これらは、増幅と検出が可能でありそれらを同時に行える最初のPCR検査でした。この工程はリアルタイムPCRと呼ばれました。

蛍光プローブを使用して、PCR増幅反応で生成されるDNAをリアルタイムでモニターし、ウイルス病原体の存在を検出することができます。増幅された病原体DNAが各PCRサイクルで蓄積すると、増幅されたDNAセグメントが「光り」、ウイルスの定量検出が可能になります。PCRと検出が順次ではなく同時に完了できるようになったので、測定時間が減少して、検体と人との相互作用が減少し、コンタミリスクが低下します。

2007年に、ロシュは最初の完全自動化リアルタイムPCRシステムであるCOBAS® AmpliPrep/COBAS® TaqMan®を発売しました。このシステムは2つの機器から構成され、一方は検体調製を完了し、もう一方はリアルタイムでPCRの工程と病原体DNAの検出を実施します。この進歩は、検出と診断に必要な時間をさらに減少させ、検査検体のコンタミリスクを低減します。

継続的な品質に対する責任とイノベーションで、ロシュは引き続きPCR技術に投資し、研究・改善を行います。